こんぱら、mistyです!!
ていうかなんか今、あのマイケル・サンデルがテレビに出て相撲の八百長問題について対話形式をとりながら講義してます!
なかなか面白いことも遣ってくれるもんだ、日本のTV業界!
さて、ここからはアレなんですが、misty、いよいよブログのネタもなかなかないので、超短編小説をうpしたいと思います爆 ww
一体何のブログか分かんないぜ・・・クレイジー。
出来たてほやほやです!20分くらいで仕上げた、本当に短いストーリーです。
お楽しみください♪ 「ガラスの街」
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ガラスの街
ちょっとした、でも確かに冷たい温度で私の中心をひどくしばりつける、胸の痛み。
もう、これ以上何も傷つきたくないというのに。
寒空が街を支配する、その地面に近い所で、私は自転車を漕いでいる。一心不乱に、時に漕いでることなど忘れてしまいそうで、でも思い返したらとにかく一生懸命にペダルに体重を乗せて。私を襲うこの確かな痛みと共に。
グリーンの塗装に包まれた自転車のボディも、この暗闇の中ではその存在感をあらわすことはない。むしろ、冷たさと暗さの圧倒的な空気に飲み込まれてしまっていて、その色すら物悲しい表情を作っている。少なくとも今の私にはそう見える、そしてそれ以外の他には何もない。
自転車が、信号の目の前で止まる。赤のライトの点滅は、大した意味もなく視覚をいたずらに刺激する。何を、何を止めろっていうの? 私の痛みを? 私の存在を?
こんな片田舎のこんな遅い時間帯なので、人どころか車通りでさえ少ない。それでも赤信号に止まらざるを得なかったのは、痛みを抑えたくて抑えたくて、それでも止まらないこの冷たさをどうにかしたかったから。哀しくて。
人間関係は、少なくとも今までの人生の中ではうまくやってきた―そしてこれからも―はずだった。だから、私は、裕のことが理解できない。少なくとも、私の知っていた、あの優しくて情緒深い性格だったはずの、裕ではない。
―「お前に、何が分かるんだ!」―
私に何が分かるかって? 全部よ、全部。私に見えるものの範囲の中でなら、全部。そう言いきれるくらい、私は裕の事を分かっているつもりだったし、優しくしてきたはずだった。
なのに。
―「お前に、何が分かるんだ!」―
その言葉を放った時の裕の表情を思いだそうとするが、できない。頭と心が拒否しているのかもしれない。思い出すな、敵の顔を。
敵。たった一瞬で、友達と言うものは敵になってしまうものなの?
私たち人間の関係というものは、そんなにも儚くて、そして哀しいものなの?
信号が緑に切り替わって、またペダルに足をかけて、自転車を漕ぐ。
今日はどうやら風が吹かない。街そのものが、静まり返った感じ。わずかに、CDレンタル屋さんのけばけばしい電光板の光や、暗闇にひっそりと生える植木の緑たちが、私の視界と心にただただ意味もなく流れ込んでくるだけ。
…痛い、っ。
身体と心というものを完全に分けることができないのだとしたら、心の痛みは身体の痛みに決して劣ることはないだろう。裕との―一瞬の―亀裂を目の当たりにしてしまった私は、多分未だにその事実の重みを把握できていなくて、それでも衝撃だけが私の頭の中をかけぐりまわって、そうして冷たさと暗闇の深みに接している。
痛みを抱えた自転車は、ガラスでできた冷たい街の中を、一秒一秒すすんでゆく。
***
ご愛読ありがとうございました。
みsty @
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