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発信主義。:「抱えるくらいなら、発信【発進】せよ」 **** mistyの目に映る様々な社会現象を、考察・検討を通してグダグダ考えましょう。

フルハウスは嗤う

   

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幽霊はこわくない?!

こんにちは。
最近、難しいテーマが続いていたので、肩の力を抜いた気楽なテーマを考えたいと思います@


@幽霊は怖くない?

幽霊・妖怪って、こわくない?
 最近は、幽霊や妖怪を、小説や映画を用いることで「恐怖」の対象として崇めたてまつる一方で、実在としてのそれらを怖く感じなくさせているような雰囲気が、文化の中にある気がします。

逆説的ですが、僕らは霊感でももっていない限りは、幽霊に対面するのは、テレビの画面や映画のスクリーンの中のことが多くなってしまいますよね。 幽霊は、画面の中で映るものだ。ということは、本物の幽霊は存在しない?
 どこか現実味を帯びていない、はではでしいメイクをした化け物は、ますます現実から遠ざかって、想像界の中での産物というキャラクターを推し進めることになります。
これは、ホラーファンにとってはゆゆしき事態です(笑)。
 ホラーを求めるということは、「これってもしかして本当に僕らの身近にある話なのかも…」と、奇妙な後味を残すような映画がやっぱり名作だからです。 これは映画だからと割り切ってしまうと、全然こわくなりません。

ちなみに近年のホラー界は、まさにこの傾向が高い。(笑) おそらく、「その場だけで楽しめる怖さ」を、配給会社・映画監督なども追及しているのだと思います。
 エクソシストやオーメン、さらには日本のリングなどのヒット作は、後味の悪いという点ではズバ抜けていた。当時の観客に、観終わって普通の日常に戻る際も、映画の感覚を引きずらせるという妙技が、当時の文化社会でセンセーションをいずれも引き起こしています。つまり昔は(リングはそんなに昔でもないけど)良かった!


まぁ、前置きはこれくらいにして、ここでは幽霊というものと、特に科学主義との関係を考察しておきたいと思います。 「幽霊」=装置とみなす、ちょっと変わった考え方です。

 「幽霊」に対する見方・考え方を、科学との関係において整理すると、まずは以下のように分けられると思います。

幽霊を非・科学的なものとする見方   ・・・ 消極的見地  A
                         ・・・ 積極的見地  B

幽霊を科学的に説明する見方   C


まず、A。これは、幽霊を消極的に非科学的なものとみなす見地・文化です。どういうことかというと、幽霊や妖怪のような存在は、科学のように合理的に説明できるものではなく、しかし別段科学を意識しないというもの。

 このような観念があったのは、例えば古代・中世の日本などがあげられます。「妖怪・化けもの」がとても人々の生活の身近にあった時代です。梨木さんの小説「家守忌憚」や、水木しげるの妖怪ワールドは、まさにこの範疇にあると言えます。

梨木香歩の「家守忌憚」は、とてもみずみずしい小説です。江戸の半ば・後期に生きる主人公は、冒頭からいきなり死んだはずの友人の幽霊と会話を交わし、しかも主人公はそれを不思議なものと思いつつもわりとすんなり受け入れているのです。そんなおっとりの主人公のもとに、友人以上にミステリアスなキャラクターが彼をとんどん取り巻いていく、というストーリーなのですが、そこには人間と化物が、なんとなく仲良く世界を共有しながら生きているというほのぼの感が漂っています。

古代・中世の日本では、ヨーロッパほど合理的なものの見方が支配的であったわけではなく、幽霊・妖怪といった存在は小説や小話で幾度も幾度も登場して、親しまれてきたけれども、それを理論的に説明するなどといった芸当はほとんど存在しなかったと思われます。それよりも、そういう不可解な存在を受け入れ自分達の生活の中に溶け込ませるという動きの方が多かったのだと思われます。
 水木しげるワールドでは、あずきあらいとかいったんもめんとか、とても人間の生活がしみ込んだものが多い。これは、化け物が人々の日常にとても深くかかわっていたことを反映させていたのだと考えられます。


同じく幽霊を非科学的なものとする方向に於いても、それを積極的に峻別しようとする見方(B)は、Aとはわけが違います。これは、化け物と共存するなんてとんでもない、むしろ科学の方に寄り添ったりして、幽霊をひたすら怖がるといったなどのものです。
 ここでは科学などの化け物以外のものは、依存するべき対象であり、反対に幽霊などは、排除するべき・避けるべき対象であります。

もともとのホラー小説・映画などは、こういった考え方からできたものもあったはずです。幽霊をひたすら「あっち側の」世界に置くことによって、しかしある種の「向こう見たさ」という心理を利用して、恐怖をあおるという。
 
幽霊は非科学的存在であるとともに、ひたすら恐怖の存在でもあります。忌み嫌う、という表現がぴったりか。
Aのようなほのぼの感はみられなく、幽霊なんてとんでもない!
 こんな気持ちを、私たちは抱くことも在り得るのではないでしょうか。ホラーがほんとにダメという人は、この類型に入るのかもしれません。


そして最後に、幽霊までもを科学的世界の範疇におさめようとする見方(C)です。これは、まず幽霊以外のものも科学の世界に支配されているということが前提となっています。
 つまり、幽霊さえも科学的に説明できるはずだ!というスタンスに立つことです。

「心霊家」など、スペシャライズさせるという動きは、この範囲のものといえます。
最近の(ぶっちゃけてしまえば、魂胆がバカバカしい)ホラーTVなどに、よく見られます。

ます、幽霊写真や動画などといって、根源的恐怖心を茶の間にあおりたてる。
この段階では、Bの観念に近いといえましょう。
しかしそれから、心霊家などの専門家が、「不可解とされた事態」に、説明を与えていく。
「これは、3年前にこのアパートで自殺した人の霊です。殺された時の恨みをうったえたくて、この写真に写っているのです。」

…なんとまぁ、合理的な説明! そして、ほっとしてしまう(もしくはそう見せかける)わたしたちのバカバカしさ!
しかしここでは、あくまでそういった「不可解な」事象を、私たちの理解の範疇に寄り添おうとする動きがあるのです。

説明をされて無意識に私たちがほっとしてしまうのは、科学への信仰心が少なからずとも現れていることの裏返しでしょう。信仰心というと語弊があるかもしれません。 この世の中に、科学・合理性の考え方がいかに浸透しているかということです。

よく分からない・非科学的な存在から、科学的な証明へ―。
幽霊は、幽霊的なものを取り上げられていきます。 最近のTVショーなどでは、C的なものの見方が多い。
でもそれは一方で、伝統的なAの見かたをなくしてしまっているのでは?

 それでいいのか日本!(笑)

不可解な存在でさえをも文化の基盤としてしまう、そういった情緒的な民族を、私はやっぱり愛してやまないようです。
最後に一言いえば、幽霊や妖怪に合理的な説明を与え過ぎると、それはいちホラーファンとしての面白さを減らすことにもつながるので(笑)、ほどほどにしてほしいですね…小さい事ですが!笑

それではっ。
misty @

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無題

  • by nnd
  • 2010/07/06(Tue)00:54
  • Edit
心霊体験って結構しんどいだよ…たかが金縛りをとっても。
全然調べてもないけども、欧州でも幽霊の話はあるでしょ?確か。。。まぁ、さして興味ないがねん~

無題

  • by misty
  • 2010/07/07(Wed)20:28
  • Edit
コメントありがとう!

欧州にユーレイが…。 あんまり聞かないけど、多分同じだけユーレイ話で盛り上がるんだろうね。

オレも金縛り常習だよ!w 
体質的なものだと最近思うわ。

無題

  • by nnd
  • 2010/07/07(Wed)23:02
  • Edit
ネガティブな人に霊はとりつきやすいらしいよ~だからちゃうん?笑
ポジティブに生きよう!

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男性
誕生日:
1989/03/19
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学生
趣味:
読書/音楽鑑賞/音楽制作/小説執筆/美術館巡り
自己紹介:
学生をやっております。
*好きなモノ・コト
自分哲学すること。
音楽を聴くこと、観ること、演ること、造ること。
映画鑑賞。静かな空間。くたびれた電車の中。美術館。
江國香織。遠藤周作。田口ランディ。

*苦手なモノ・コト
喧噪。口論。理論づくしの人。
早起き。健康的な生活。
デスメタル。精神性のない形骸的ロック。


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